このページでは、当ブログが想定する対象者と、運営者の基本的な考え方、そして英語学習法のやり方について説明します。
当ブログの対象者

当ブログは、小学生から高校生の方の英語力を上げることを目的にしたブログです。
ですので、小学生から高校生、そしてその親御さんが主な対象者です。
当ブログの目的は、以下のとおりです。
- 小学生から高校生に、英語の学習法で迷うことなく確実に英語を身に付けてもらうこと
- 子どもの英語のことで悩む親御さんに、安心確実な学習法をお伝えすること
基本的に塾などには行かず、自宅で自習することを想定しています(オンライン教育などを含む)。
学習法自体は、大学生や社会人のやり直しでも変わりませんので、英語に関心のある方はぜひ参考にしてください。
実際に、当ブログには、明らかに大学生・社会人を対象にしたような記事(TOEIC満点を目指す記事など)も一部にあります。
最近は、幼児英語教育がとても盛んで、英語の学習を開始する年齢がどんどん早まっています。
では、なのになぜこのブログでは幼児(未就学児)を主な対象としていないのかと言うと、理由は次の2つです。
- 運営者は幼児を指導した経験が少ないから
- 英語学習を開始するのは小学校入学からで十分だと運営者が考えているから
一つ目の理由は納得していただけるでしょう。
二つ目の理由は異論や反論がありそうです。
わたしは、別に幼児向けの早期英語学習を決して否定しているわけではありません。
実際に1歳や2歳から英語学習を始めて大きな成果を上げている方もいらっしゃいます。
すごいなと思います。でも、わたしとは方向性が違います。
幼児英語教育には時間もお金もかかりますし、親の負担も大きいです。
わたしならその時間やお金は、お絵かきや運動や日本語の読み聞かせなどに使いたいです。
このあたりについては、次の「バイリンガルについて」の項目で詳しく説明します。
むしろ、わたしは声を大にして言いたい。
英語を始めるのは小学生からで大丈夫です!と。
小学校で授業が始まる5年生から始めたって全然問題ありません。
わたし自身は中学校から英語を始めました。こんなことを言うと笑われそうですが、その時点では英語とローマ字の区別すらあいまいでした。
しかし、今では翻訳者や英語講師として仕事をしていますし、英検1級合格・TOEIC990点満点などの資格も持っています。
英語はきちんとした方法でやりさえすれば必ず上達します!
まずは自信を持ってください。あなたやあなたのお子さんが何歳でも問題ありません。大丈夫です!
バイリンガルについて

幼児英語教育を実践する親御さん達の多くが思うのは、「うちの子にバイリンガルになってほしい!」ということでしょう。
では、バイリンガルとは何でしょう?
Oxford Adavnced Learner's Dictionaryを引くと、"a person who can speak two languages equally well"とあります。
「二か国語を同等レベルで話せる人」ということです。これはかなり厳しめの定義ですね。
「バイリンガル」という言葉が表す内容やレベルは、話す人によってさまざまです。それによって混乱が生じています。
わたしの考えるバイリンガルとは、「二か国語を生活言語として自由に使える人」のことです。
つまり、二か国語がどちらもネイティブスピーカーのように使える人のことです。
簡単なことではありません。
また、バイリンガルにもレベルがあります。
レベル | ||
1 | 話せるレベル | 幼稚園や小学校の時期を海外で過ごした子に多いケース。ネイティブのように話したり聞いたりできるが、高校以上のレベルで教わってないので読み書きは拙い場合が多い。 |
2 | 社会人として通用するレベル | 海外の高等教育を受けており、読み書きもしっかりしているので、そのまま現地で社会人として通用するレベル。 |
3 | バイカルチャーレベル | 言語だけでなく、それぞれの社会における文化や常識まで身につけたレベル。どちらの社会でもネイティブとして通用するレベル。 |
わたしが考えるバイリンガルとは、上の表のレベル2以上に相当するでしょう。
実際のところは、このレベルに到達するのは、両親のどちらかがネイティブスピーカーであるか、幼いころから海外生活をしているといったケースがほとんどです。
生活言語というのがポイントで、生活言語としてその言語を使いながら社会生活ができるのがバイリンガルだと言えます。
ヨーロッパなどにバイリンガルの方が多いのもその理由です。
生活のなかで実際に複数の言語を使う必要があるからです。
アジアだと、フィリピン、シンガポール、インドネシアなどにバイリンガルの方が多いのも同じ理由です。
一方で、日本で生活する際に英語を話すことが必要でしょうか?
日本で生活しながら、第二言語として英語を学習している場合は、バイリンガルになるのは不可能とは言いませんが、とても難しいです。
わたしは、日本で生活するのであればバイリンガルを目指す必要はない、と考えています。
でも、実際には自分のこどもをバイリンガルにすることを目指す親が多いようです。
海外生活では当然ながら英語に触れる機会がふんだんにありますが、日本では必ずしもそうではありません。
この大きな差を埋めるためにイマージョン(immersion)方式と言われる「英語漬け」の環境を整えてあげようとする方も多いようです。
しかし、そのためには経済的、精神的に親に多大な負担が掛かります。
しかも、幼児期の英語漬けは、母語である日本語による学習に割くべき時間を犠牲にしていることも忘れてはなりません。
そもそも当然ですが、すべての人がバイリンガルを目指す必要はありません。
バイリンガルを謳った本やサイトを見てみると、先生や著者はハーバード大学やイェール大学などに留学経験があったり、生徒はトップ大学に入学したり海外有名大学に留学する優秀な方が当たり前のように出てきます。
でも、そんなことがすべての人に可能とは思えません。
「普通の」という言葉を使うと語弊がありますが、これからはむしろ「普通の人」が日常的に英語が必要になるのではないでしょうか。
例えば、会社で海外からのメールを読んだり、海外からのお客さんをアテンドしたり、勤めているお店に海外からの観光客が来たりするのはもう日常です。
そんななかで別にバイリンガルである必要はありません。
目指すべきなのは「第二言語として十分なレベルの英語運用力」だと考えています。
「第二言語として十分なレベルの英語運用力」とは、母語である日本語と同等とまでは言えなくても、自分のすべきこと(仕事、勉強、読書など)を英語を使ってする必要がある場合に支障なくできるレベルの英語力です。
このレベルの英語力があれば英語に困ることはありませんし、このレベルの英語力を身につけた若者が留学などで海外で暮らすことになればバイリンガルを目指すことも可能です。
「第二言語として十分なレベルの英語運用力」はここで紹介している学習法で学習することで獲得可能です。
やってみる価値は間違いなくあります。
当ブログで目指すレベル

最終的に目指すレベルは、上に書いたように「第二言語として十分なレベルの英語運用力」ですが、もちろんいきなりそこに到達出来る訳ではありません。
当ブログでは英語力の指標として英検(実用英語技能検定)を利用しています。
英検は、5級、4級、3級、準2級、2級、準1級、1級の7つの級に分かれており、TOEICのようにスコアではなく、テストによる合否判定がでます。
試験内容が日本の学校教育に沿ったものになっているので(というより学校の勉強内容が英検に近づいている印象もありますが)、学校での授業や試験対策にも役立つという面があります。
具体的には、以下のレベルを目指すことを想定しています。
- 小学4年生で英検5級合格
- 小学5年生で英検4級合格
- 小学6年生で英検3級合格
- 中学2年生で英検準2級合格
- 中学3年生か高校1年生で英検2級合格
- 高校3年生で英検準1級合格
もちろん上記はあくまで目安です。
これより早く上の級に合格するお子さんもいるでしょうが、そんなに焦る必要はありません。
そもそも英検は他人と比べるためのものではありません。
それに上記のペースで英検合格できたとしたら、かなりの達成度だと言えます。
英検1級を書いていないのは、高校生までのあいだに目指すのは難しいからです。
もちろん例外は常にありますが、高校生で英検1級はあまり万人向けの目標ではありません。
特にがんばれる子や、特に英語が好きな子、大学生・社会人でさらに上を目指したい人などはぜひ挑戦してみて欲しいと思います。
それよりも、きちんとした方法で学習すれば誰でも確実に目指すことのできる目標を示したい、というのが当ブログの考え方です。
英語は半分スポーツだ

英語のの学習をめぐる誤解はたくさんありますが、その一つが「英語は勉強だ」というものです。
このことは英語が学校の「教科」になっていることが大きいでしょう。
でも、英語は理科や社会などの教科とは違います。
理科や社会は、授業で学んで理解すれば、テストで解答できるようになります。
それは理科や社会が「勉強する教科」だからです。
でも英語は違います。
英語は授業で学んだからといってすぐできるようにはなりません。
英語は半分スポーツのようなものなので、学んだあとにトレーニングする必要があるのです。
昔からよく「学校で英文法なんて勉強しても英語が話せるようにはならない」と言われます。
でもそれは当たり前なのです。
英文法とは、スポーツに例えればルールやセオリーのようなものです。
ボールを打ったら一塁側に走るというルールとか、1点差でノーアウト1塁ならバントがセオリー(野球が分からない人すみません)だとかいうようなものです。
確かにルールやセオリーを学んだだけでは野球が出来るようにはなりません。
実際に何度も練習する必要があります。
しかし、だからと言って野球をするのにルールやセオリーが必要ない、と言いますか?
英語も同じことです。
英文法を学んだだけで英語が喋れるようになる訳ではありませんが、だからと言って英文法が必要ない訳ではありません。
実際に私のまわりの英語ができる人は、口を揃えて「学校英語は役立つ」と言っています。
「英文法は必要ない」といった言葉は安易に信じない方が良いです。
そして、英語を学習する際には、「勉強系学習」と「トレーニング系学習」のどちらをやっているのか意識するようにしてください。
勉強系学習とは、理論を学んで理解する学習のこと、トレーニング系学習とは、わかっている事を何度も繰り返して身につける学習のことです。どちらも大切です。
学習法の呼び方について
ここからは、学習法に関するさまざまな用語になじみのない方のために、それぞれの用語の意味を説明しておきます。それぞれの学習法のくわしいやり方は学習法の全体像で説明します。
音読
あるていどのまとまりの文章を声に出して読むことです。小学校の国語の宿題の定番ですから、ほとんどの方がご存じでしょう。英語の音読をする際には、「あらかじめ読んで意味の分かった英文」を、「できるだけ音声のまねをしながら」読むことが大事です。
ディクテーション
耳で聞いた内容を紙の上に再現することです。書き取ることが目的ではなく、細かいところまで聞く訓練をすることと、自分が聞き取れない箇所を把握することが目的です。時間がかかるのが難点です。
シャドーイング
音声を聞きながら、テキスト見ずに聞こえた英文を少し遅れて複唱することです。影(シャドー)のように音声の後をついていくイメージです。現在の英語界で「最強」の呼び名の高い学習法ですが、実際にきちんとやるのは難しいので、音読やリッスン・アンド・リピートから始めるのがおすすめです。
指差し読み(ポインティング)
再生された音声を聞きながら、英文テキストの読まれている箇所を指でなぞっていく方法です。簡単そうに思えますが、決してバカにできません。初級者におすすめです。
リッスン・アンド・リピート
再生された音声をひとかたまり毎に止めてマネすることです。シャドーイングとの違いは音声の再生をいったん止めるかどうかだけ。効果はほぼ同じです。英文をスラッシュで区切って、読むためのポーズを入れてくれている便利な教材がいくつか出版されています。そのスラッシュで区切られた部分がひとかたまりということです。慣れてきたら、1文をひとかたまりにして練習してもOKです。
オーバーラッピング
英文テキストを見ながら音声と同じ速さで同時に音読することです。いわば「同時音読」です。
精読
使われている単語や英文構造に至るまで何の疑問もなくなるくらいに英文を細かく分析的に読むことです。いわゆる「英文解釈」や「長文読解」のことです。
多読
英文をいちいち日本語に訳すことなく、自分の興味の赴くままに読むことです。英語を英語のまま理解し、英語の感覚を養うのが目的です。というよりも、興味の湧くものを読むのだから読むこと自体が目的と思えたらしめたもの。
瞬間英作文
『英語上達完全マップ』の著者の森沢洋介氏が考え出した言葉です。和文を見て、それに対応する英文を即座に作って口に出すという学習法です。頭の中に英語回路を作るのに大変効果があり、瞬間英作文という言葉も広く使われるようになりました。
聞き流し
昔、1年間で1000時間の英語を聞く、というA社の”ヒ〇リングマラソン”という通信講座がありました。わたしも受講したことがあります。別にその講座が聞き流しを勧めていた訳ではないのですが、1日あたり約3時間の英語を聞くことがノルマとなり、結果としてただ単に英語を聞き流す状態となっていました..... 当然と言えば当然ですが、ただ英語を聞き流しても効果はありません。意味の分からない言葉がBGMとなるだけです。
「初めての方へ」のページは以上です。
あとは、それぞれのページをお読みください。
皆さんの英語学習が順調であることを祈っています!