microshovelです。
英語の勉強をするときに避けて通れないのが語彙ですよね。
資格試験を受けるにしても、ビジネス英語にしても、英語の本を読むにしても語彙の問題は付いて回ります。
そこで今回は、わたしが実践して効果があると言える単語の覚え方を紹介します。
実のところ、わたしは現在英検1級合格を目指して勉強中なので、あまり大きなことは言えません…
ただ、大学時代にTOEICで930点を取り、その後就職してからも仕事で英語を使うなかで、単語の覚え方はいろいろ工夫してそれなりに効果を上げたので皆さんに紹介する価値があると考えています。
余談ですが、わたしの英語力の弱点は偏りがあることです。英検1級の勉強を始めるにあたって分野別に構成された単語帳を見てみたりしましたが、法律分野では知らない単語は一つもありませんでした。
ところが、医療とか日常生活の分野になると知らない単語がちらほら出てきます。
現に仕事で法律関連の文書や契約書を読むときは特に問題なく読めるのですが、ごく一般的なペーパーバックの小説を読むと単語でつまずいたりするのが正直なところです。
こうした偏りが、わたしの英語力のレベルアップを妨げていたのかなと今回改めて感じています。
ただし、方法論としては今回紹介する方法には自信がありますので、ぜひ試してみてください。わたしも頑張ります。
単語を覚えるのは人を覚えるのと一緒!コツはなじみになること!
わたしには単語の覚え方について信じていることがあります。
それは、英単語を覚えるのは人を覚えるのと一緒だ、ということです。
会った人のことをなかなか覚えられないということはないでしょうか?
一方で特に意識しなくても自然に覚えられるケースもあります。
では、人のことを覚えているのはどんなときでしょうか?
それは、おおざっぱに言うと以下の通りのはずです。
- 何度も会う人のことは覚えやすい
- 誰かの知り合いや家族の場合は覚えやすい
- 初対面で強烈なインパクトがあった人のことは覚えやすい
- 一緒に食事をしたり、お酒を飲んだ人のことは覚えやすい
- 趣味や関心が一緒の人のことは覚えやすい
- 身の上話をしてくれた人のことは覚えやすい
- 好きになった人のことは忘れられない
これらすべてが単語についても同じことが言えるのです。
大きく3つにまとめると次の通りです。
- 何度も出てくる単語は覚えやすい
- すでに知っている単語に関係する単語は覚えやすい
- その単語に関する情報を知れば知るほど覚えやすい
これを実際の単語の覚え方に適用したのが、以下の方法です。
<手順①>
単語帳に出てくる単語を1語につき1~2秒のペースでチェックする(目で見るだけ)。
意味はよく分からなくて構わないので高速でチェックして最後のページまでやりきる。
これを最低でも5サイクル繰り返す。
<手順②>
単語帳に出てくる単語に、他の品詞形、類語、語源、例文などの情報を書き込みながら1語ずつ丁寧に覚えていく。
なお、<手順①>と<手順②>は順番にやるのではなく、同時並行で行います。
それぞれの手順について以下で説明します。
<手順①>高速チェック
通勤電車が一緒だったり、毎日同じ時間帯にすれ違うなど、通勤途中に出会う人のことをいつの間にか覚えていることはないでしょうか?
名前もどこの会社の人かも知らないのに、何回も何回も顔を見るうちになんとなく覚えてしまった。
おそらく別の場所で会ったとしても、何となく他人とは思えないはずです。
心理学では、同じ人や物に接する機会が増えるほど、その対象に対して好印象を持つようになるザイオンス効果(単純接触効果)という心理現象が知られています。
好印象を持つのと、覚えやすいこととは少し違いますが、心に残りやすさという点では共通しています。
英単語の場合も、接触する回数を増やして「見たことある」という感覚を持つことがまず大切です。
覚えるべき単語をとりあえず「見たことある」状態にするために行うのが、<手順①>の高速チェックです。
「見たことある」状態になれば、後は少しずつ親しくなっていくことも可能です。
方法としてはただひたすら高速で目を通すというだけですから、意味まではまったく覚えられないと思うかもしれませんが、それでいいのです。
まだ意味を覚えるところまで行く必要はありません。
とりあえず脳の中に引っ掛かりを作るというか、意味を覚えるための下準備をしてやる、という感じです。
<手順②>単語の“身の上話”を知る
<手順②>で行うのが、単語の“身の上話”を知るということです。
これは人との関係で言うと、一緒にお酒を飲んだりして、その人に関する個人的な情報を知れば知るほど、その人のことを忘れにくいという効果です。
単語の場合も、その単語の“個人的な情報”を知る必要があります。
“個人的な情報”にあたるのが、その単語の他の品詞形、類語、語源などです。
あまり書くと時間が掛り過ぎますから、すべてを書く必要はありません。
自分が関心のある情報や、覚えやすそうな情報を単語帳に記入して行くのです。
例えば、verify(検証する、確認する)という単語なら、
- 名詞形はverification(検証、立証)、形容詞形はverifiable(立証可能な)
- 類語はconfirm(~を確かめる)など
- 語源はveri(真実)+ -fy(動詞を作る接尾辞)
- 例文はverify data integrity(データの整合性を検証する)
といったような情報を書き込みます。
繰り返しますが、全部の情報を書き込む必要はありません。
とりあえずは自分が気になる情報だけで十分です。
これを行うことによって、単語の“個人的な情報”を知ったことになり、その単語とより“顔なじみ”になります。
確かに時間と手間が掛る方法ではありますが、長い目で見ると効率的かつ確実な方法です。
まとめると、①単語帳のすべての単語に高速で目を通し(5サイクル以上)、②単語の関連情報を1語ずつ覚える、となります。
そして最後に言い忘れてはいけないのが「復習」です。
人なら初めて会った人でも数か月は忘れませんが、単語の場合は1週間もあれば完全に忘れてしまいます。
忘れないためには復習しかありません。
一番良いのは英語の本や雑誌、ウェブサイトなどを大量に読んで、覚えた単語に実際の文章で出会うことです。
これは最高の復習になります。
しかし、なかなかそれだけでは上手くいかないのが現実です。特に語彙レベルが上がるほど実際の文章で出会う確率は低くなります。
そこで、単語帳や自作の単語リストなどを使って忘れていないか地道にチェックすることが必要になります。
せっかく頭に入った単語を失わないためには仕方ないとあきらめて、日常的にチェックしましょう。
確認作業だけなので、そんなに負担にはならないと思います。
わたしは、トイレの時間やボーっとテレビを観ている時間を使って復習しています。
その他の覚え方について
英単語の覚え方で、他によく名前が挙がるのが「語源」と「語呂合わせ」です。
語源については<手順②>で少しだけ出てきましたが、あくまで補助的な情報であって、語源だけを頼りに記憶することは想定していません。
語源を使って単語を記憶するという方法自体も、補助的な方法であると考えています。
その理由は、語源を使った覚え方が有効かどうかは個人差が大きいということです。
その方法が合う人にとっては「おお、面白えー」という感じで、まるで誰も知らない必勝法を知った気になるくらいです。
個人的には語源は大好きで、大いに利用しました。
ところが、語源を使った覚え方が合わない人にとっては、「接頭辞」だの「接尾辞」だのと覚えることが増えただけで、逆にしんどくなるようです。
もうひとつの「語呂合わせ」を使って覚える方法ですが、わたしは「あり」だと思います。
英語ができる人ほど、語呂合わせを邪道だと言って嫌う傾向があります。
「語呂合わせのような方法で覚えたとしても、本当の意味では役に立たない」という訳です。
たしかに語呂合わせで覚えただけでは、実際の役には立たないかもしれません。
しかし、それはまるで「男女の出会いはお見合いでなければならない」と言っているようなものです。
単語との出会いは語呂合わせでも何でもよいのです。
上に書いた通り、まずは脳内の引っ掛かりを作ることが大切だからです。
そして、「見たことがある」状態になったら、そこからいろいろな文章でその単語に出会う度に少しずつ親密になっていけばよいのです。
何の引っ掛かりもない単語は、見てもまるで意味がツルツルと脳内を滑るように意味が定着しません。
ところが、何度も何度も見て脳内に引っ掛かりができた単語は、文章で出会うたびに「ああ君か」という感じで記憶が少しずつ積み重なっていくのです。
単語の記憶はミルフィーユです。薄ーい層を何枚も積み重ねていくしかないのです。
ちなみに、わたしが高校生のときにpossess(所有する)という単語を始めて見たときは「変な形だなぁ」という違和感しかありませんでした。何だかsが多いし。
そこでわたしが考案した覚え方は「possessは、sを多く“所有している”」というものでした。
馬鹿げた方法ですが、脳内に引っ掛かりを作る効果はありました。
その後この単語を何度も見ているうちに違和感はなくなり、意味が頭に浮かぶようになりました。
要は、わたしはpossessと顔なじみになったということです。
英単語の記憶は、まず脳内に引っ掛かりを作った者勝ちです。
それさえ出来れば、あとは少しずつ親しくなっていけばよいのです。
さて、今回は英単語の覚え方を紹介しました。
皆さんの参考になれば幸いです。