英語学習法

こどもの英語は何から始めるべき?フォニックスからがおすすめ

小学校でも英語が正式な教科になるし、うちの子にも英語を教えたいけど…何から始めたらいいの?

こういった疑問に答えます。

英語の学習はいつから始めるべき?

こどもが英語学習を始めるべき時期についてはいろいろな説があります。

世間では「小学校に上がるまでが勝負!」とか、「10歳になるまでにその子の能力が決まってしまう!」とか、いろいろ言われているようです。

地方在住の我が家の場合でも、小学校に入るまでにはアルファベットが書けて、簡単な単語が言える子が割りと多いようです。

都会の場合は、英語教育熱はもっと過熱していることでしょう。

しかし、この記事では、小学校に入学してから英語の学習を開始するケースを想定しています。

なぜなら単純にうちの子がそうだったので、未就学児の英語学習のことはあまり自信を持ってお伝えできないからです。

幼児教育が盛んなことは分かっていますが、我が家では小学校に入るまで英語は教えませんでした。

正確に言うと、少しは教えようとしてみたのですが、「どうも違うな」という感じがしていました。単語を教えても、あまり覚えられません。

なにやら英語という別の言語を理解しているというより、こどものおぼろげな言語世界のなかに現れたものを記号として記憶しているだけ、という感じがしました。

そもそも日本語も十分に話せないのに、英語を詰め込むことに抵抗がありました。まずは日本語の世界に入り浸ってほしい、というのが正直な気持ちでした。

そして、晴れて小学校に入学したころには、文字が多めの絵本でもすんなり読めるようになっていたし、自由自在に生意気が言えるようになっていたので(笑)、じゃあそろそろ英語の勉強を始めようか、となりました。

もちろん、例えばお母さんが日本人でお父さんがアメリカ人というように、両親が日本語と英語のネイティブスピーカーの場合は話しは違うでしょう。

赤ちゃんのころから両方の言葉の世界に触れさせてあげて、バイリンガルになることも可能だと思います。バイリンガルになる環境があるからです。

しかし、いまの日本では、そのバイリンガルになる環境を人工的に与えようとするケースが多いように感じています。

そのためには、常に英語を聞かせたり、DVDを見せたり、ネイティブの先生がいる英会話学校に通わせて、家でもときどき英語で話しかけたり、寝る前には英語の絵本を読み聞かせたり... 親の負担が大きすぎます。とてもわたしにはできると思えません。

わたしは、その時間があったら日本語の本を一緒に読んだり、世の中のことや、こどもが興味を持っていることなどを一緒に話し合ったりする方が有益だと感じます。

現在小6のうちの上の子は小学校入学から英語を始めましたが、いまでは中学校の教科書を自分で読めます。

簡単な英語の本なら自分で辞書を引きながら読むことができます。

結論としては、英語を教えるのはこどもが小学校に入ってからで良いのではないでしょうか。

もちろん、いろいろな考えがあるでしょうが、少なくとも我が家ではそうしました。

フォニックスから始める英語学習

小学校に入ったら、フォニックスから始めると良いです。

正確に言うと、アルファベットから始めるべきですが、アルファベットは、フォニックスとの絡みでセットで教えることになります。

フォニックスとは何か?簡単に説明します。

フォニックスとは「英語の文字と音の関係を示したルール」です。

こどもが英語を学び始めてすぐに困るのが、「文字をそのまま読むことができない」ということです。

例えば、CATという単語を習っても、これは「スィー・エイ・ティー」のはずであって、どこからも「キャット」という音は出てこないのです。

これが日本語の場合だと、文字と音は一致しています。

「あ」という文字はどこで使われても「あ」と読みます。

だからこそ、今わたしはこれを文字だけで説明できるのです。

なので、こどもは「あいうえお」さえ覚えれば、フリガナ付きの本ならどんどん読めます。

ところが、英語ではそうはいきません。アルファベットを覚えたところで、実際の単語の読み方はひとつずつ覚えなければなりません。

そのことがこどもにはすごくストレスになるようです。

それを解消するのがフォニックスです。

アルファベットにはアルファベット読みの他にそれぞれの文字に音があるのです。ABCは「エイ、ビー、スィー」と読みますが、これはアルファベットの名前であって実際に発音する音ではありません。

音は「ア↘、ブ、ク」です。アルファベット26文字のすべてに、アルファベット読みとは別にそれぞれの音があります(詳しくはフォニックスの本を読んでください。下記にも紹介しています)。

例えば、さっきのCATの例の場合、CATはフォニックス読みだと
「ク・ア↘・ト」となります。ここからクア↘ト=キャットとなります。

最初は違和感があるかもしれませんが、なれます。

フォニックス読みを26字のすべてについて学んで、ちょっとしたルールを理解すれば、初めて見た単語でもなんとなく読めるようになります。

こどもにとってこれは革命的なことです。

こどもにとっては、ここまで出来てやっとひらがなと同じように英語の文字が「読める」状態になります。

それまでは、CATは「キャット」と読むのだと単語ごとに関連付けて覚えていただけでした。読めていた訳ではありません。覚えていただけです。

でも、フォニックスを理解すると、知らない単語が出てきてもフォニックスを頼りに読み方を推測することができます。

日本語で言うと、小さなこどもが「魑魅魍魎」という言葉が分からなくても、「ちみもうりょう」と書いてあれば、意味はともかく読むことはできるのと同じです。

ちなみにフォニックスを知らなかった妻にこの説明をすると、
「どうしてせめて中学校のときに教えてくれなかったのか!」
と憤っておりました…

ということで、フォニックスを始めに学んでおけば、そのあとの学習がとても楽になるのです。

それがわたしがフォニックスから英語学習を始めることをおすすめする理由です。

ちなみに、わたしがフォニックスの学習に使用したテキストは、『新装版 書いて覚える楽しいフォニックス』齋藤留美子・齋藤了著(マガジンランド)という本です。付属CDで日本語の説明を聞きながら学習できるのでおすすめです。

ネイティブのこども向けに書かれた英語だけのフォニックス本も人気ですが、あまりおすすめできません。

こどもにとっては、まだ書いてある内容を声に出して読むこともできない状態だからです。

なるべく日本語を排除して、英語に多く触れさせたいという気持ちは分かりますが、まずは分かりやすい日本語の説明でフォニックスを理解して、そのあとで英語の読み聞かせなどをすればよいと思います。

最後に注意点です。フォニックスは有効ですが、限界もあります。

例外もたくさんあります。すべての単語をフォニックスのルールに当てはめて読もうとすると無理がきます。

世の中にはすごく複雑なルールまで教えるフォニックス本もありますが、あまりやり過ぎると逆効果です。

基本的なルールを学んで、初めて見た単語でも怖くない、という実感が持てるようになればフォニックスは卒業です。

以上、参考になれば幸いです。

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