英語学習法

混迷する大学入試の英語民間試験の導入、どう対応すべき?

この記事では、
「センター試験が廃止されたあと、大学入試の英語試験はどうなるの?英検とか受けないとダメなの?」
という疑問に答えます。

萩生田文部科学大臣の「身の丈」発言で、大学入試における英語民間試験の導入はさらに混迷していますね。

気になる受験生や親御さんも多いでしょう。

大学入試の英語試験は今後どうなる?

まずは、今後の見通しを簡単にまとめました。

  • 2019年度(20年1月実施分)を最後に、大学入試センター試験は廃止される。
  • 2020年度から新しい共通テストが開始される(21年1月実施)。
  • 同じく2020年度から民間の英語試験が導入される(20年度の場合、2020年の4月から12月までに受験しなければならない)。
  • その後、2023年度までは共通テストと民間試験の二本立て。
  • 2024年度以降は民間試験に一本化?(未定)
  • 導入される民間試験は、ケンブリッジ英語検定、実用英語技能検定(英検)、GTEC、IELTS、TEAP、TOEFL、TOEICの7種類だったが、TOEICは参加取り下げを表明した。

民間試験は必ず受けなければならない?

ここが分かりにくいところです。

まず、すべての大学が民間試験の利用を決定したわけではありません。

民間試験を利用するのは、全大学の約半数です。

ただし、国公立大学では約90%が利用します。

国公立大学で民間試験を利用しないのは、北海道大、東北大など10校ほどだけです。

さらに、民間試験を利用する国公立大学のうちで、民間試験を「必ず受けなければならない」としているのは約40%で、残りは任意だったり、未定だったりです。

今回の民間試験の導入には、問題点も多く指摘されています。

地方と都会の格差の問題や、経済的な格差による有利・不利などの問題です。

わたしは地方在住なので、受験のためにホテルを予約しなければならない学生がいることも知っています。

ここでは深入りしませんが、問題は確かにあると思います。

どう対応する?

まず思うのは、学校で習う内容はその先にあるものに規定される、ということです。

大学では、就職に備えることが優先されます。
高校では、大学入試に備えることが優先されます。
中学では、高校入試に備えることが優先されます。

高校での勉強も、大学入試のための対策になっていることが多いのが現実です。

大学入試に民間試験が導入されることが決定し、しかもそれが今後も続く可能性が高い。

となると、高校以下で教える内容は民間試験への対策の色合いが強くなることは避けられないでしょう。

多かれ少なかれそうでしょうね。

受験生としては、なるべく早い段階で狙っている民間試験を受けてみる方がよいと思います。

親御さんも我が子に民間試験を受けさせようとするでしょうし、その時期も早まるでしょう。

民間試験のなかで本命視されているのは英検とGTECですが、これらを受験する人が増えるでしょうから対策は早めにしておいた方が良いと思います。

その一方で、最後に骨太な意見を述べますが、あまり試験の形の違いに惑わされない方が良いと思います。

英語には、受験英語もTOEIC英語もありません。傾向があるだけです。

もちろん試験傾向に合わせた勉強も大事ですが、基本となる英語力自体は変わりません。

少なくとも、普段は共通テスト用と英検用・GTEC用にテキストを分けて勉強する必要はないと思います。

いまの大学受験用の参考書は、激しい競争のおかげでかなりレベルが高いものです。

いまあるテキストや参考書を信じて勉強すれば、英語の基礎力はちゃんと身につきます。

その基礎力は、英検やGTECにも必ず通用します。

民間試験の対策は、試験日の3か月前くらいに対策本を1冊買ってきて、それをひと通りやれば十分でしょう。

なんだか最後は予備校教師っぽくなりますが、受験生の皆さんには、試験の形に惑わされず、自分の希望する道のために頑張ってほしいです。

(2019年11月1日追記)
大学入試における民間試験の導入は延期されることになりました。
今回の延期は、民間試験の成績を大学入試センターが取りまとめて各大学に 提供する制度である「大学入試英語成績提供システム」の導入が延期されるということであり、各大学の判断で民間試験を利用するケースもあるかもしれません。 また、あくまで「延期」なので、将来的に改めて導入される可能性が高いと 思われます。 受験生はいろいろ振り回されますね…

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